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流通革命 ~新時代の流通サービス~

現在の農業における流通の主流は農協です。農協への流通は、大量に農産物を売る事が出来るといったメリットはあるものの、価格の決定権は生産者に無く、農協が決めた価格に従うといった状況。生産者に消費者の顔は分からず、消費者に生産者の顔も分からずです。
生産者と消費者の距離が近くなるようなより良い流通の在り方があっても良いのではないでしょうか。

流通経路

そもそも、生産者から消費者の元に農産物が届くまでの経路どうなっているのでしょうか?
農協による場合、生産者が農協に農産物を預けると青果市場によってセリ市が開かれます。
そこで、中卸業者が農産物を競り落とし、小売店(スーパーマーケット等)に渡り消費者の元に届くといったところです。
このように生産者から消費者に届く間、農産物はいろいろな所を経由します。
すると当然日数も掛かってしまいます。農協の場合、3日~4日といったところです。
もっと新鮮な野菜を消費者は求めているのではないでしょうか?
生産者としても、新鮮な野菜を食べてもらった方が仕事冥利に尽きるのではないでしょうか?

各企業による流通サービスの提供

農協への流通の他に、道の駅やファーマーズマーケット等での直売があるが、これだと農協とは逆で、価格は生産者が決定する事が出来るが規模が小さく量が見込めない。
それらの中間の流通を理想とする。
例えばA社の場合、集荷場を運営するシステムを提供している。
各集荷場にバーコードシステムを設置し、生産者がそれを貼って配送箱に投函する。
バーコードシールは納入先のスーパーマーケットによって異なるが、A社は価格、販売先などを入力するだけでバーコードシールを一括で発行できるシステムを開発。それにより、生産者の出荷作業の負担を大幅に軽減した。
さらに理想とするのは、規模拡大により集荷場に農作物を持ち込むだけではなく、それぞれの生産者にバーコードシステムを貸与して各農家から直接発送する仕組みを作ったり、配送先をスーパーマーケットではなく直接家庭に届けるといった事を目指している。

生産者と消費者の距離

農協への流通とは違いA社の様な流通の仕組みによって生産者から消費者に農産物が届くまでの距離が短縮される。
前述した通り、農協の場合3~4日掛かるところがA社だと1~2日で消費者に農産物が届く。
より新鮮な野菜を消費者の方々にお届けする事が出来ます。
新鮮野菜
(出典:タダヤサイドットコム)

そもそも、生産者である農家のほとんどが自ら販路開拓をし、取引するという営業活動のノウハウが不足がちであるのが現状です。
その為、農協に頼りがちといった傾向にあります。
しかしながら、これからの時代A社の様な流通サービスやインターネットを中心とした流通サービスの提供によって生産者には多くの選択肢が与えられます。
生産者と消費者が新たな形で繋がられ、ビジネスとしても魅力ある農業の実現に繋がっていく事でしょう。

(文・江原直明)

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