皆さん、「活性酸素」という言葉を聞いたことはありますか?
簡単に言えば、身体に対して害悪をもたらす元凶です。この活性酸素が体内にて発生すると、体内の組織が錆びつき、さまざまな病気に罹りやすくなります。
活性酸素を除去してくれるのが、ビタミン・ポリフェノール・カテキンなどの抗酸化物質を豊富に含んだ野菜です。積極的に野菜を摂り入れることで、あらゆる病気を予防することが可能となります。
もちろん、野菜を正しく調理するということも忘れてはなりません。間違った調理方法がゆえに、せっかくの健康効果を台無しにしてしまうケースも。
ここでは、講演などを通じて野菜の食べ方について伝授している野菜のスペシャリストこと、ジョー・ロビンソンさんが、著書『Eating on the Wild Side: The Missing Link to Optimum Health』で紹介している、野菜の栄養分をムダなく吸収を促すコツについてお伝えしたいと思います。
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1. 「加熱処理をすると、野菜の栄養価が下がる」はウソ
「加熱処理をすると、野菜の栄養分が飛んでしまう」と思っている人も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。例えば、トマトを例に挙げるとしましょう。トマトの主要成分として知られるリコピンは、加熱処理を経ることで、身体に吸収されやすい形へと変化します。
それから、トマトの加工品の代表であるトマトの缶詰。少量で高い免疫力向上効果を発揮するファイトニュートリエントが高濃度に凝縮されています。
以上を纏めると、生のトマトを食べるよりも、栄養分を体内に効率よく吸収可能ということになります。
2. レタスはちぎってから保存すべし
ビタミンCやビタミンE、カロテンなどの栄養素がバランスよく含まれているレタス。体内への栄養成分の吸収を促すためにも、葉をちぎってから冷蔵庫にて保存されることをおすすめします。そうすることによって、レタスに含まれている抗酸化物質が2倍の量に増え、ファイトニュートリエントの保護効果が高まります。
ただし、この効果が持続するのは1~2日程度です。くれぐれもレタスの葉をちぎり取った後はできるだけ早く召し上がるようにしましょう。
3. ノンオイルドレッシングは野菜の栄養分の吸収を妨げる
特に外見を気にしている女性のなかには、ノンオイルドレッシングを使うようにしているという方もいらっしゃることでしょう。しかし、そうした習慣は、かえって野菜の栄養分の吸収を妨げてしまいます。
そこでおすすめしたいのがオイル入りのドレッシングです。野菜サラダにオイルドレッシングを振りかけるだけで、野菜の栄養分が体内に吸収されやすくなり、がんなどの病気予防効果が高まります。
ちなみに、ドレッシングと野菜の栄養吸収との関係に着目したのはアメリカのパデュー大学の研究チームであり、以下のような見解を示しています。
“特にバター(飽和脂肪)、キャノーラ油(一価不飽和脂肪)、コーン油(多価不飽和脂肪)は野菜との親和性が高く、野菜に含まれる「カロテノイド」と呼ばれる栄養成分を効率よく吸収することができる”
出典: Study: No-fat, low-fat dressings don’t get most nutrients out of salads(パデュー大学)なかでも、分量に関係なく高いカロテノイド吸収率が見込まれているのがキャノーラ油だそうです。カロリーが気になる方は、キャノーラ油を調合したドレッシングを活用するとよいかもしれません。
追記:
「野菜をしっかり摂っていたのに、扱い方が間違っていたがゆえに野菜の恩恵を十分受けられなった」ということだけは避けたいところです。
健康のために野菜を摂り入れているようにしているという人は、以上の点に留意しつつ、日々の野菜生活を振り返ってみてはいかがでしょうか?
(文・大澤法子)