先日、住んでいた渋谷を出て滋賀に移住、就農しました。
渋谷に住んでいる時はITベンチャーに従事していました。
今回はそんな僕が渋谷という便利な土地を捨てて滋賀に移住し農業を始めた理由を書いていきます。
1,身体は食べるものからできている
僕自身、高校生の時から頻繁に海外に旅行していました。
旅行する中で、海外の紅茶畑や広大な畑を見てきたのですが、
全く日本の農業には関心がなかったのです。海外に出て初めて
普段食べているものがどうやってできているか知らずに食べていた事に気づきました。
調べれば分かることですが、体感したかった僕は旅をしながら農家の方に限らず
生産者の方と交流しようと思い鹿児島から北海道まで歩いて日本を縦断しました。
大体3000kmを歩く中で、多くの農家をされている方と交流したのですが
その中の多くの農家が「家族で食べる野菜」と
「出荷用の野菜」で分けていることに驚きました。
なぜ分けているのかというと、それはつまり
農薬の使用量の違いだったのです。
関わった多くの農家の方が言っていました。
”出荷用に育てた農薬だらけの野菜を家族に食べさせることはできない”
と。
家族用の無農薬野菜を食べさせてもらった時
野菜本来の味にびっくりしました。
作ってる方でさえ食べない野菜を食べていることに疑問を感じ
まったく農業に従事したことも、関心すらなかった私が
1度生産者側になってみようと思ったのです。
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2,そういえば、作物ってどうやってできてるの?
魚が切り身で泳いでると思ってる子どもがいる。
なんて言われたりしますがそれと同じで作物のできる過程を全く知らなかったんです。
ナスがどんな種からできているかとか、普段ナス食べている時に気にならなかったんです。
これも鹿児島から北海道まで歩く中で多くの畑をみましたが、ほとんどの作物が分からず
これは恥ずかしいと思い農家になるキッカケの1つとなりました。
種から野菜を育てることもありますが、ピンセットで掴んで植える小さな種もあってビックリしています。
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3,作物を作れたら生きていける
極論になりますが、作物を作れたら生きていけると思っています。
なるべく自分のスキルだけで生きていける様に人生を設計したかったので
先に食べるものを確保しようと思い就農しました。
4,自然の近くに住んでいたい
都会のビル群に囲まれて生活している時、本当に僕の人生これでいいのか?と自分に問いかける事がありました。
子どものころからキャンプ等で触れる、自然に密接した生活にどこか憧れている自分がいる事に気づき、
極端に都会でも田舎でもない僕にとってバランスの良い町で農業を始めました。
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5,新規就農へのハードルを下げたい
農業就業人口の平均年齢は2014年度において65.8歳ともいわれています。
原因は「農業は辛くて儲からない産業」という先入観が多くの人にあるのではないかと思います。
テレビやネットでも、農家の悲鳴は聞こえてくるが儲けている声はあまり届いてきません。
このまま農家が減ったら日本の食物は誰が作って賄うのか?
そう考えたときに自分が新規就農で儲かるモデルになってしまえばいいと考えました。
すぐに結果が出るとは思っていませんが、
少しでも早く新規就農のモデルになりたいと思っています。
終わりに
農業を始めて半年が経ちました。
理想は高くても現実はやはり厳しいもので、作物もなかなかうまくできなかった1年目でした。
それでも、自分で育てた作物を頂くことができるのは、何とも人間的だなと思います。
これから雪の降る季節なので、来年に向けて勉強、準備していきたいと思います。
(文・岸本裕斗)